頭を使ったこぎん刺し

◆よく考えて刺す
 私は図案を書くのが技術的にも精神的にも苦手で、自分で刺し始める前に図案を起こすことはほぼ無く、ワークショップでも書くことを推奨はしていません。図案を書くと理解が高まる方は書いたらいいと思う、のスタンスです。現在たくさんの図案集がありますので、そちらを見て、刺したいものが見つかればそちらを刺すのが効率的かなと思っています。
 余談過ぎますが、高校の頃に朝の英語の単語テストがあり、間違った単語を10回書くというペナルティがあったのですが、その作業もすごく苦手で、その時間から逃れるために必死に単語を覚えた記憶があります。
 話は戻りまして、図案を書かない代わりに、よく考えて刺す、を徹底しています。図案を書く理由が「書くと頭に入る」とされていることがほとんどなので、「頭に入る」を自分自身にあったアプローチ方法に変えました。「書くと頭に入るタイプ」の方はぜひ書いた方がいいと思いますし、「眺めると頭に入るタイプ」の方はぜひ眺めた方がいいと思いますし、自分にあった方法で楽しめたらいいな、といつも思っています。

◆模様の最小単位を探す、模様の構成単位を見つけて解体してみる
 モドコ(こぎん刺しの基礎模様)を刺していくうちに、なんとなくこぎん刺しらしい模様のイメージがわかってくると思います。全てでなくても、モドコ(基礎模様)をいくつも刺して雰囲気を掴むというのは大切かなと感じています。モドコがぼんやりでも頭に入ってくると、図案集などで少し大きな模様を目にしたときに、「この模様はこのモドコとこのモドコを組み合わせた模様かも?」という視点が養われ、よし刺してみよう!と思ったときに、図案を追って刺す作業から、「今は模様のこの位置だから、あの動きになるな」と頭で考えながら刺せるようになると思います。この楽しさ(私はとても楽しんでいます)を味わっていけるのかなと思います。

◆自分に合う方法で楽しむ
 図案集やこぎん刺しのワークショップなどで「刺し始める前に図案を書きましょう」、「必ず書いてください」といった言葉に出会うことはあると思います。それは教えてくださる方がその方法でこぎん刺しの魅力に出会った為、情報共有してくれているのだ、と考え、書いてみて自分に合っていれば今後も書いていくのがいいと思いますし、書いてもポジティブなことがないと思えば書かなくて良いと思います。とにかく、楽しみましょう!

 

Satonobou