こぎん刺しブックカバーキット
◆基礎模様「モドコ」を組み合わせて模様を大きくする
初めてのブックカバーキットが完成しました。今回のデザインは、こぎん刺しの図案を拡大する基本の考え方、「モドコを巧みに組み合わせる」を意識。下の写真に使用した模様はおそらく基礎模様(モドコ)である「花こ」を組み合わせた「花つなぎ」ですが、今回はこの「花つなぎ」を拡大しキットのデザインが完成しました。
花こから花つなぎ、そして花つなぎからたくさんの花つなぎ関連の拡大模様が生まれ(キットご注文の方にはそちらも図案化してお送りします)、伝統の力を感じました。キクラコ(木の根)模様も自然と登場しました。花こが拡大していってキクラコにも出会うとなると、この花は木に咲く花か?などちょっと想像を膨らませると楽しいですね。
「長く生き残っている本ほど読むべき本」と言われますが、それと同様に、こぎん刺しの伝統模様である基本模様(モドコ)も、長く生き残ってきただけの理由があり、それは自分自身で刺すほどに感じられるのではないかな?と改めて思いました。元を辿れば同じ基礎模様、変化を重ねても同じ家系のような「似た部分」があり、そのおかげで隣り合わせになっても違和感なく、馴染んでくれるのだと思います。
◆キット本体に関して
今回のキットは図案作成や印刷環境等、課題(知識や経験不足からくるものですが)が次々と立ちはだかり、ひとつひとつ、恐る恐る試してはクリア、を繰り返し、なんとかお見せできるレベルになったと思います。今年はこぎん刺しの技術だけでなく、キット制作に関わる技術も磨いていき、今後ますます皆様のお役に立てるものにしていきたいと思っていますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
最後に、さとの坊は伝統的なこぎん刺しの基本模様からの派生や組み合わせを自分なりに楽しんでいます。キットのデザインも常にそちらが軸にあります。伝統的なこぎん刺しを現代手に入れられる材料で、防寒や補強から離れて楽しんだらどうなるか?みたいな感じです。これからキットを楽しまれる皆様にも、どこかしらに伝統を感じていただけると嬉しいです。
Satonobou/さとの坊