こぎん刺しキット金魚ねぶた

◆こぎん刺しキット金魚ねぶた・金魚ねぷた
 季節を楽しむこぎん刺しキット、本日は金魚ねぶた/ねぷたです。昨年もブログを書いていますが、今回はキットの内容に触れていきます。
 青森では、どんなに小さな村であっても(私の育った浪岡本郷でも)楽しみにしている夏の祭りが、ねぶた祭り、ねぷた祭りだと思います。その祭りに欠かせないのがこちらの金魚のようなねぶた、金魚ねぶたです。(ねぶたかねぷたかは、こぎんざしかこぎんさしかと同じレベルの話かと思います。)
 布と糸の組み合わせは、お選びいただくキットにより異なり、
津軽工房社こぎんドゥエル(麻)と津軽こぎん糸
②koginbankオリジナルこぎん布(綿)と手仕事ファン手染めこぎん糸
③ツバイガルトダブリン(リネン)と飛騨さしこ糸
です。

左から①、②、③、材料により模様の縦横比や印象が異なります
 
◆難易度やポイント

 難易度は2。伝統模様を大切にデザインしましたので、こぎん刺しを刺したことのない方でも楽しめる図案になっています。ただし、初めての方は尾びれ部分に少し難しさを感じるかもしれません。どうぞゆっくりとこぎんのリズムをお楽しみください。
 
こちらのキットは2022年7月24日の東奥日報(青森県地方紙)で掲載紹介いただきました。普段は全国から割と均等にご注文をいただくのですが、お陰さまでこれまでで一番青森へ発送する機会となりました。また、青森以外からのご注文でも、「青森出身です」とメッセージを添えてくださるお客さまが多く、地元愛を感じる特別な作品となりました。

 

(ブログでの紹介は許可取得済)

◆材料紹介
津軽工房社こぎんドゥエル(麻布)
 模様が縦長で、金魚ねぷたの中に、弘前ねぷたの見送り絵っぽさを表現してくれるなぁと感じた布です。織り糸を弦楽器の弦のように弾きながら(持ち上げながら)刺すと織り糸を割らずに刺し進めていけると思います。

koginbankオリジナルこぎん布(綿布)
 
布の張りや織り糸の動き具合などがバランス良くしなやかなのが魅力的な、私のお気に入りのこぎん布です。糸こきってなんなの?どんな感じ?という方に一度刺していただきたい布です。生成りは2023年より新たに織り上がってきた布になり色味が変わりました。見本完成次第ご紹介します。他にもくすみの効いた雰囲気のある青と赤があります。

Zweigart ツバイガルトダブリン(ドイツリネン/25ct)
 写真の通り、同じ図案でも小さな金魚ねぶたになります。こぎん針でも問題を感じることなく刺し進められますが、普段目の細かな布に刺さない方はルーペ等を使いながらお楽しみいただければと思います。刺し子糸の太さが模様を表現するのにはちょうど良さそうです。

津軽工房社津軽こぎん糸
 津軽工房社さんオリジナルスーピマコーマ糸のこぎん糸です。柔らかく艷のある発色の良い糸で、優しく扱いたい印象です。材料面でのこぎんドゥエルとの相性は良いと思います。華やかな雰囲気が出ますよね。

手仕事ファン手染めこぎん糸
 マットな触り心地と見た目の刺しやすい糸で、さとの坊おすすめの糸です。カジュアルで可愛らしい温もりある雰囲気の作品になるため、ご家族の帰省土産などにもご活用いただけると思います。

飛騨さしこ糸
 高山に旅行に行った際たまたま手に取った糸ですが、しっかりとした刺しやすい糸で、Zweigartのリネンに刺す際もスムーズで刺しやすいです。発色も良く、可愛らしさと元気さが出て金魚ねぶたにぴったりだと思います。

(弘南鉄道大鰐線:2022年の子ども金魚ねぷた列車、手前は我が子です)
 
◆経験できること(こぎん刺しを楽しむ引き出し
⚪︎こぎん刺しの伝統模様を組み合わせて楽しむ
⚪︎青森の夏の風物詩をこぎん刺しで楽しむ
⚪︎色の組み合わせにより表現を楽しむ
⚪︎koginbankオリジナルこぎん布/こぎんドゥエル/Zweigartリネンの特徴を知る
⚪︎津軽こぎん糸/手仕事ファン手染めこぎん糸/飛騨さしこ糸の特徴を知る
⚪︎贈り物にこぎん刺しをする喜びを経験する
⚪︎(楽しまれた後に追加してみてくださいね)

 

(兜飾りアレンジ) 

◆制作秘話
 金魚ねぶたを作ろう!と意気込んで制作したのではなく、下の写真のブックカバーを制作してやや行き詰まり、斜め前に並んだブックカバーの試作品を眺めながらぼーっとしていた時に突然閃き、刺してみたのが形になった、副産物のような作品です。1時間ほどで完成しました。(当時の自分に聞かないとわかりませんが、恐らく頂点部分が金魚ねぶたの尾びれに見えたのでしょうね。)
 金魚ねぶた制作が良い気分転換となり、ブックカバーキットも納得の作品になりました。こちらは改めてご紹介します。


 また、東奥日報の伊藤記者から取材連絡をいただいたのが、急逝した父の葬儀が全て終わった翌日のことでした。あまりにも突然のことで気が抜けてしまい、これからこぎん刺しをどうしようかなぁとぼんやりしていたのを、働き者だった父が空から見ていたのかもしれませんね。
 人は生きている途中に亡くなります。大切にしたいことやものに取り組んでいる途中に亡くなる人生を、歩めたらいいなと思います。そんなこともあり、私のこぎん人生を語る上で、外すことのできない作品となりました。これからも自分の想いを大切に作品作りに向き合っていきます。

 

 ◆こぎん刺しキット 金魚ねぶた販売先リンク
⚪︎こぎんドゥエル布 フルセットはこちら津軽工房社オンラインショップ 
⚪︎koginbank布 フルセットは当ショップminnekoginbankオンラインショップkoginbankアマゾンショップでも販売中です!
⚪︎ミニサイズ フルセットはこちら

引き続き楽しいこぎん時間をお楽しみください。

Satonobou