こぎん刺しの糸始末

◆こぎん刺しの基本の糸始末
 私が書く必要のないくらいありふれた情報ですが、1度は触れてみたいと思います。これからこぎん刺しを始める方向けに制作したスータータキットでは、今回の基本の糸始末以外にも複数の方法を載せております。(販売は一時帰国のタイミングで行えるよう検討しています。)
 糸始末の方法は、本または教えてくれる方、また、制作物や仕立てる内容(裏も作品の一部なのか隠れるのか、立体的な作品になるのかどうか等)によって異なりますので、個人としては正解のない物と認識しています。

◆モドコ(基礎模様)の頂点での糸始末

 こちらは頂点での糸始末方法の例ですが、どこで始末をするのにも同じ要領で行なっていただけます。私がこれまでに読んだこぎん刺しの本からも、一般的に玉結び・玉どめをしないようです。

①頂点まで刺す

②下の段(又は2段下の段)の、布たて糸を2本(または4本)すくう

③針を抜き、抜いたところから3~5mmほどのところで糸を切る

 こぎん糸は多くの場合、複数本の糸をねじり合わせて作られており、布目に糸を通したその瞬間からなかなかの摩擦がかかっているようですので、上記のような実質1cm位の始末距離でも抜けることはほとんどありません。刺し間違いをして糸を抜く経験をされた方は、その時点で糸を抜く困難さに出会うと思います。

◆おまけの話
 高校の授業でこぎん刺しを教わった母は、まず準備として糸は布幅からはみ出す長さに切る。糸は一段単位で完結させる。糸始末はせず、布の左右に袖のように糸が出ている状態で仕立て屋さんに依頼する。そんなこぎん刺しの方法でこぎん刺しを楽しんでいました。私が本を見て上記のような糸始末をしているのを見た時に、どうやってるの?と何度も聞いてきたのが印象的でした。逆に私にとっては、本に載っていない仕立て方法があることを知りとてもホッとしたのを覚えています。正解がないことに、当時の人々の暮らしを感じ、なんだか安心します。
 授業等での教えやすさ、課題の内容、仕立て内容、色づかい、さまざまな観点からもいろいろな糸始末方法があって不思議はありませんよね。

 これからも、リラックスしてこぎん刺しを楽しんで行けたらいいなと思っています!どうぞよろしくお願いします。

 

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