こぎんとごえん
◆図案の通りに刺すこと
写真のこぎん、完成間近のタイミングを幾度も逃し、ようやく刺し終えました。2020年春、次男が生まれた記念に単行本のカバーを制作。その後、文庫本サイズに調整して同じ図案を刺していたのですが、急ぎのものでもないので、時間がある時でいいや、気分が乗った時でいいやと後回し、そして後回し。総刺しとはいえ、文庫本カバー程度の大きさなので、目的意識が高ければ1週間で刺し終えられる大きさです。ところがどうしたことか、2年半近くかかってしまいました。笑
ひとつ明らかなのが、「決められた図案を刺す」ことが気持ちの面でとても苦手なために、「気分が乗った時」がなかなか来ず、結局、「流石に刺すか」の気持ちで刺していたために、これほどまでに時間がかかったのでした。退屈に近い感情です。
将棋棋士の羽生善治さんも、「予定調和は面白くない」とご自身の本「結果を出し続けるために」で書かれていました。羽生さんと同じか!と思うだけで、ちょっとホッとしたりしました。
◆ご縁の積み重ね
もちろん、やる気が出ないだけでそんなに時間がかかるわけでもありません。これまでの2年の間に、さとの坊と関わるたくさんの方に、新たな作品作りに関するご縁をいただき、後回しになってしまった、と言うのが何よりも完成に時間がかかりすぎた大きな理由です。そう思うと、とてもありがたい時間をこれほどまでに長く過ごしてきたのだと、心から嬉しい気持ちになります。次男も春が来れば3歳です。家庭はもちろんですが、こぎん時間の密度もとても濃厚になってきました。
◆変化を作り出す、楽しみを見出す
こんなところで図案通りに作品を作るのが退屈だと言ってしまうと、同じ図案で5つ作品を作った、先日のkoginbankさんのクラファンのリターンはどう言うことだ?となりますね、笑。訂正が必要です。
まず、ブックカバー制作は、冒険のようで退屈する暇なんてありませんでした。デザインを決めることから始まり、試作をして適切な図案の位置を見つけたり、接着芯の厚さを決めたり、裏布の素材を決めたり、布幅が決まっていたため、布幅を生かす仕立てにするにはどうしたら良いか。内容が決まり、失敗をしたら期限に間に合わないと言う心地よいプレッシャーをなんとなく感じながらの制作期間。
変化があり、考える必要がある環境であれば、楽しんで取り組めることを知っているので、「全ての作品に新鮮味を感じながら製作できるように、配色にテーマを与えて、全て違う配色にしよう」そう決めて、作品作りを始めました。糸の色は刺してから思ったのと違うな、と、解いたりもしました。
と、、、どうやら、このブックカバー制作の話は長くなりそうなので、今回はこの辺りで。笑
羽生さんの本も、ブックカバー制作中に、Audibleで聞いたものです。将棋には著作権がない、など、ちょっと昨今のこぎん界に面白い話でしたので、よかったら読んで(聴いて)みてくださいね。
参考文献
○結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)、羽生善治著、日本実業出版社 (2010/11/26)
Satonobou