こぎん刺しらしさとは?

 先日「こぎん刺しの模様とは?」と言うタイトルでブログを書きました。今回はそれに関連し「こぎん刺しらしさ」について考えた内容です。

 ◆適切な固定観念
 先日こぎんブローチを作るという叔母とやり取りをしていた時のことです。どんな風に図案を選んでいるか叔母に聞かれ、模様を組み合わせたり図案の一部を切り取ったりしていると答えると、無理に真ん中に模様を収めなくていいんだ、固定観念が邪魔していた等、ヒントになる言葉が出てきました。
 固定観念、ネガティブな場面で使われることが多い言葉ですが、こぎん刺しが文字ではなくそのもの(こぎん刺しの施された布、こぎん)をもって伝わってきたことを考えると、昔の女性たちは他の人のこぎんを見る中で自然と適切な固定観念を養い、その固定観念が「こぎん刺したるや」が表現されたモノ(こぎん刺しの施された布)として育て、結果、現在私たちが「伝統的なこぎん刺し」と認知している津軽こぎん刺しの輪郭をはっきりさせたのかなと思いました。
 適切に制限され、明らかな共通項を持って表現し合う、津軽の女性たちさすがです、ありがとう、そんな気持ちになりました。

◆えふりこぎの賜物?
 もしかして、適切なえふりこぎ(津軽弁で見栄っ張り、良い格好しい)もこぎん刺しの模様の発展にいくらか影響したのでは?と思いましたが、こちらに関してはもう少し深く考えてみたいと思います。


※固定観念・・いつも頭から離れないで、その人の思考を拘束するような考え(小学館)
※えふりこき、えふりこぎ(津軽弁)・・カッコつけ、見栄っ張り

 

Satonobou