ブックカバー制作のヒント2

◆ブックカバーキット制作のヒント2
 先日書きましたブログ、ブックカバーキット制作のヒントでは、主に仕立て前の段階についての紹介でした。特に、こぎん刺しを始めたばかりの方ほど、早速刺し始めたのに大変過ぎて心が折れる...となる可能性がありましたので、初めの数段が最難関であることをお伝えしました。また、図案をどう捉えるとリズムを掴みやすいのかについて触れました。こぎん刺しの図案は一定の規則があり、今回の図案は特に、その規則の中にさまざまな模様をはめ込むことでデザインが完成しました。よって、リズムを体に刻むことをおすすめしています。

◆糸セットの糸の余裕
 今回のブックカバーキットのセットの糸は、そもそもの必要量自体が多いため、余裕分も多くしました。説明書内に糸の必要量を記載しておりますが、1段ずつ進める場合、3段ずつ進める場合、6段ずつ進める場合で糸の必要量は大きく異なるため、最も多く必要になると想定した方で20m近く余る想定で余裕を持たせています。一度に刺し進める段数が多い方では30m以上余る方もいらっしゃるかもしれませんが、糸不足時の対応が日本在住時のようにいきませんので、上記のようにいたしました。余りました糸は作品作りにどうぞお役立てください。恐れ入りますが、返金等は対応しておりませんのでご承知おきください。
 もちろん、糸が不足しました時にはしっかりと対応いたします。キットに使用したのと同じロットの糸を日本に置いてきましたので、家族と連携をして1週間ほどでお届けできるよう準備済みです。
 過去に糸不足でご迷惑をおかけしてしまったお客さまのおかげで、糸の必要量をどのくらい大きく見積もるのかわかるようになってきました。本当にたくさんの方に支えられキット販売を継続できております。心から御礼申し上げます。

◆図案にある色枠、図案の使い方
 文庫本サイズの場合はA3図案をそのまま使えるかもしれませんが、単行本サイズの方は、もしかしたらA3図案では小さすぎるかもしれず、A4に分割した図案をお入れしています。黄色の点で図案の中心がわかるようになっていますので、切ったり折ったりしてテープで貼り合わせてご活用ください。A3図案をさらにコンビニ等で拡大したり、使いやすいように工夫いただければと思います。図案にある色枠は、その枠内を刺していただければ説明書とほぼほぼ同じ範囲のこぎん刺しになりますよ、という目安です。やはり刺し方により個人差が出ますので、あくまでも目安として、実際にはご自身で長さをはかっていただきますようお願いいたします。

◆刺し終えたこぎん布の縮み具合

 先日文庫本カバー用のこぎんを刺し終えました。縮み具合は人それぞれ、みなさまに当てはまるものではありませんが、説明書通りの寸法で刺せなかったこぎんをどう仕立てたのか、ポイントをお伝えしていきます。見本は文庫本ですが、考え方は新書、単行本、全てに当てはまります。まず、私は横幅合計で2cm(左右1cmずつ)説明書寸法よりも短くなってしまった布をブックカバーに仕立てました。縮むことは避けられませんし、少しくらい幅が足りなくてもバッチリ完成するようになっていることを身を持って確認できましたので、どうぞご安心ください。

◯布の縮み具合
 縦は足りなければ足せるので気にせず進めます。横は私の場合、刺した後に5~7mm、アイロン後に2~3mm縮みました。ただし、スチームアイロンでややしっとりした状態で布を伸ばすと歪みが小さくなりますので、アイロンでは縮むばかりではないと思います。説明書にもアイロン前のこぎん刺しの範囲を書いていますが、実際のところ、横幅が1cm位説明書とずれても問題ありませんのでどうぞ刺す時間を楽しんでいきましょう!数ミリ単位の話ですので、こんなに書いておきながらなんですが、あまり気にしなくて大丈夫です。

内側の紫線▶︎最も縮んだ箇所(赤線で記した中央段)に対し垂直に引いた線(ここから外に1cmのところに印をつけます)
外側の紫線▶︎最も縮みの小さい箇所に対し垂直に引いた線(重要ではありませんが、内側の紫線を引く際に役に立ちました)

◯縮み(歪み)の対応方法
 スチームアイロン後、主に縮みの大きい中央段付近を横に優しく伸ばし、縮みの少ない最上段・最下段(黄色の線)との差を小さくします。歪みは仕方ありませんので、神経質にならなくて大丈夫です。 サイズ調整側(綾テープのある側)でない方の端の処理は、上記の内側の紫線から1cmを裏に折り、端を縫います。(詳細は説明書をご覧ください)

◆仕立て時のポイント
 接着芯を接着する時は、できるだけ最上段と最下段(黄色の線)が斜めになっていないことを確認し、布を整えてから貼ります。接着芯を貼った後は、布を信じて寸法通りにチャコペン等で印をつけます。歪んでいても、仕立てながら裏側に封じ込んでいきますので、気にしなくて大丈夫です。時間が経つと消えるペン等でどんどん色をつけて、目の前の布をどう処理していくのか可視化していくのがポイントです。刺し終えたご自身のこぎん布を見ていただければ、こぎん刺し部分はそんなに歪んでいないことがわかると思います。

縫うところは線を引いておく
 こちらのカバーは手縫いで仕立てました。キットご購入の方で、手縫いです!と教えてくださったみなさまのおかげで私も手縫いの実証をすることができました。結果、手縫いで全く問題ありませんでした。手縫い初心者の私でも説明書の通りのカバーが完成しました。ただし、縫うところに線を引いたおかげで安心して縫うことができました。私はミシンの時も線を引いていますが、頑張って刺したこぎん、仕立ては緊張しますが、不安を減らしながら進めていきましょう!

 

◆こぎん刺しをしたエリアの幅が足りない時

(中心から左右ポケット部分までの長さを確保すればOKです)

 仕立てる際は、黄色部分の幅を確保します。例えば、全体で2cm足りない時は、左右ポケット部分の幅を1cm短く仕立てます。(今回私はこの方法で仕立てました。)全体で4cm足りなくなるときは、仕立ての軸を変えますので、別途対応いたします。その際はminneのメッセージ機能でお知らせください。
 下の写真が幅が合計で2cm足りないまま仕立てたカバーです。1.5cmほどの厚さの本を入れていますが、黄色で囲った部分はテープから1〜1.5cmはみ出ており、使用感も問題ありません。

 

◆ほつれるのが心配な時は縫い代を多めに取る
 接着芯を貼ってしまえばほつれる心配はほぼなくなるので、説明書では縫い代1cmにしていますが、縫う時は縫い代1.5cmにして、最後ひっくり返すときに1cmに切ってももちろんいいです。1.5cmの縫い代のままひっくり返して、そのまま完成としても大丈夫です。

 まだポイントがあるのですが、だいぶ長くなりましたので、続きはまた数日中にご報告します。

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