こぎん刺しキット 虎/寅年
◆こぎん刺しキット 虎/寅
季節を楽しむキット、こちらは2022年の寅年に向けて制作したキット、こぎん刺繍です。結び花模様のみで制作しましたので、初心者の方も安心してお楽しみいただけます。
寅年キットで販売しましたが、実際にはタイガースファンのアイテムとしてキットを楽しまれた方や、ご家族がタイガースファンで贈り物にされた方もいらっしゃいました。
材料は通常サイズで布がつきや麻布(麻252)、ケンセンコングレス、糸はつきやこぎん糸、手仕事ファンこぎん糸、DARUMAこぎん糸です。ミニサイズは現在販売しておりませんが、布はTweigart(ツバイガルト)リネン、糸は黒がユザワヤ刺し子糸、グラデーションがHOBBYRA HOBBYRE(ホビーラホビーレ)のぼかし刺し子糸です。
難易度は1。使用した模様は結び花ひとつだけ、あとは部分的に虫食いになっていますが、左右は対象で、小さな図案なのですんなりお楽しみいただけると思います。一つのモドコ(基礎模様)のみを使用していますので、針の現在地を意識する練習にもってこいだと思います。
(ツバイガルトリネンに刺し子糸)
◆材料紹介
つきや麻252(麻)
こぎんドゥエルほど縦長が強すぎず、かといって縦横等比でない麻布です。布を覆うささやかな毛羽立ちが素朴な雰囲気を醸し出してくれます。織り糸の太さも適度で、全それでいて張りが強すぎないので刺しやすいと思います。
業界の高齢化や織り機の老朽化等、理由は様々あるそうですが、布の入荷に年単位だったりと入手のしづらさも意識したほうがいいかもしれません。
ケンセンコングレス(綿)
縦横等比になる、価格帯もお手頃なこぎん布です。虎の模様が広がる感じになり、ダイナミックな雰囲気になりますね。つきやこぎん糸、手仕事ファンこぎん糸、DARUMAこぎん糸、全ての糸と相性は良く、刺しやすいと思います。
Tweigart(ツバイガルト)ダブリン:ミニサイズ虎
縦横等比のドイツリネンです。25カウント(10目/cm)とコングレス(7目/cm)と比べて目の細かな布ですが、毛羽立ち等もなく織り糸も適度に動くため、こぎん針で問題なくお楽しみいただけます。アクセサリー作りなどに使用している方が多い布でもあります。
つきやこぎん糸
一度試していただきたい上質なこぎん糸です。10本合わせと8本合わせがありますが、こちらは8本合わせを使用しています。糸の艶と糸の密度、丈夫さ、どれをとってもパーフェクト。百聞は一見に如かず、ぜひ一度お試しください。
手仕事ファン手染めこぎん糸
手仕事ファンさんのこぎん糸、つきやの麻布にもコングレスにも、安心の尺心地です。マットな質感でカジュアルな印象になるため、出産祝いや野球のタイガースを応援されている方への贈り物にもお勧めです。
DARUMAこぎん糸
カラーバリエーションは2023年時点で未晒しを入れて11色と多くありませんが、カード巻きになっていてすぐに使い始められるのが嬉しいこぎん糸です。発色が強く、曖昧な色が少ないため、複数の色を組み合わせるには色の勝ち負けが起こりやすいように思いますが、単色で使うにはその強さがこぎん布に勝り主張するためおすすめです。空気を含んだマットな質感のこぎん糸で、糸はそれほど強くないため、刺し間違って糸を抜くと糸が切れることがあると思いますので、使うときはあまり長く糸を用意しないほうがいいと思います。
ユザワヤ刺し子糸:黒の糸
こちらでしか使用したことがないので印象を掴みきれていないのですが、割とフックとして刺しやすい糸だと感じました。
ホビーラホビーレ刺し子糸:グラデーションの糸
出産祝いにこんなに可愛い糸があったら素敵だな、と思って試しに刺していたのですが、少しきしみのある強い糸で、オリムパスの刺し子糸の柔らかさとは逆の位置にあるように感じました。キットとしては寅年がどんどん進んでしまいお蔵入りになりました。
◆経験できること(こぎん刺しを楽しむ引き出し)
⚪︎こぎん刺しの伝統模様で刺繍を楽しむ
⚪︎絵を描くように、モドコを切り取る
⚪︎麻252、コングレスの特徴を知る
⚪︎つきやこぎん糸、手仕事ファン手染めこぎん糸、DARUMAこぎん糸の特徴を知る
⚪︎こぎん刺しで寅年を祝う、タイガースを応援する
⚪︎贈り物として想いを込めて制作してみる
⚪︎(楽しまれた後に追加してみてくださいね)
(右上に、こぎんの鏡餅も作って、寅年をお祝いしました!笑)
図案面積は小さいのですが、カーブが命でしたので、完成までの道のりは想像以上に長く、試作も5〜6回は行いました。小さいのでサクサクと試作は進みましたが、気分転換に作り始めた割には、制作途中の作品を待たせてこちらに集中することとなり、完成した時の喜びも大きかったキットです。「こぎん刺しの干支シリーズ楽しみにしています」とキットご購入のお客さまに励ましの言葉をいただき、卯年も頑張ろう!と思ったのですが、ウサギモチーフは想像以上にいいものが浮かばず、12年後に再挑戦するかな?とぼんやりしております。今考えてみましたが、虎が一番簡単かもしれませんね(笑)
個人的な話になりますが、私自身が寅年で、結婚後の名前には虎が付くため、虎こぎんはかなり気合を入れて制作しています。
(まだまだ歪ですが、これは可愛い!とやる気が出た試作1号です)