こぎん刺しキット鯉のぼり2023・続

◆こぎん刺しキット鯉のぼり2023・続
 2023年5月5日、こどもの日に販売開始の鯉のぼりキット2023来年用にと続々とご注文をいただき心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
 来年販売活動をしているかわからないため、今回のタイミングでのご紹介となりました。販売休みに関しては改めてお知らせいたします。

(完成形)
 
◆完成までの道のり

 上の写真が、今回のキット作品の完成形です。前回のブログ でもご紹介しました下の初代作品と比べると、成長が感じられるかと思います。こういったモドコで遊んだこぎん刺繍を刺す際の私のやり方は、
①布に消えるペンで絵(外枠)を描く
②適当に模様をはめていく
③修正を繰り返す
(キットの場合はこの後に)
④図案に起こす
⑤図案と作品の形を整える(初心者の方も楽しめるように)
⑥完成した図案を見て刺し、図案の相違がないこと等確認する
と続きます。

(イメージ画と試作1号)

 1作目が面白くなる(変な形になる)のは分かりきったことですし、刺すことから全てが始まるので、まず刺してみるをモットーにデザインを進めています。この煮干しみたいな形、図案作成から始めたら出会えないと思うんです。かっこよくない形を含めて、全てがこぎん刺しを楽しむ要素になっています。

◆こぎん刺しの伝統模様のすごいところ
 今回の鯉のぼりは3匹構成にしました。大中小と全て模様が異なります。それぞれ第1作で適当に刺した図案を生かして形を整えていますが、模様を切断した部分(カーブになっているところ)に統一感があるのを感じていただけますでしょうか?
 こぎん刺しの大方の伝統模様は経糸を針(と糸)で奇数分拾うというルールがあり、大きさは異なりますが同じような菱形になります。この「同じような菱形になる」を活かし、カーブなど不規則さの中に規則を組み込み、今回のような形が完成します。ちょっと言ってることがわかりませんよね、もう少し上手く表現できるようになったら改めてお伝えします。 

 

◆布と糸の特徴
 布は津軽工房社こぎんドゥエル(うぐいす色)又はTsugaru(横糸が白、経糸が生成り)を、糸は全ての作品で手仕事ファン手染めこぎん糸を使用しています。
⚪︎こぎんドゥエルうぐいす色の特徴
 
布だけを見ると色がある印象ですが、布の上に糸が載ると、おそらく想像している以上に控えめというか、糸を困らせることはせず、糸を引き立てる裏方としての能力に長けた色だと思います。キットを通してぜひ布の色も味わってみてください。
※残念ながら現在うぐいす色は完売、再販予定がないそうです。私のキットでも布が無くなり次第販売終了となります。

⚪︎Tsugaru生成り×白色の特徴
 こちらの布が販売されるまでは、こういった場面でこぎんドゥエルの生成りを使用していたのですが、現在はTsugaruに切り替えています。布の価格は若干上がりますが、ぱっと見た時の明るさが異なり、今回のようなお祝いキットではこの明るさが作品に華を与えてくれ、大活躍の布です。

⚪︎手仕事ファン手染めこぎん糸の特徴
 
私が愛用しているこぎん糸で、ほぼ全ての色を使用したことがあります。色が豊富で、ニュアンスの違いも別色で提供されており、色塗りのように配色を楽しみたい方におすすめの糸です。ときどき糸に1mm位のくるっとした浮きがありますが、私は撚りを自分で整え直したり、裏面に回したりして使っています。
 大手メーカーの信頼の糸を使用されているそうで(ご本人談)、コングレスでも、麻布でも、koginbankさんの布でも、DARUMAの布でも、どんな布とでもストレスなく楽しめる糸だと実感しています。

 

(キット⑨と鯉のぼり2023キット)

◆配色テーマ
 
今回も各鯉のぼりに、テーマを与えて色を選んでいます。例えば、上の作品は幼馴染へのプレゼントとして選んだ色です。幼馴染本人は三姉妹の長女で、現在二人の男の子を育てている。言葉も綺麗で可愛らしい人で、白の色の服が似合う。ざっとこのような感じですが、やはり、贈る対象がイメージできている場合、糸選びがぐんと楽しくなると同時に、幸福感が増すように感じます。
 子育てをしていない方、男の子がいない方、いろいろなシチュエーションの方に純粋に季節を楽しむこぎん刺しであればいいなと、色選びを楽しんでいます。

(ぶどう・メロン・もも鯉のぼり、爽やかな鯉のぼり、原色かっこいい鯉のぼり、段染め糸で風に泳ぐ鯉のぼり)

 

◆フレームの話
 
今回のキットは、オリムパスのおしゃれフープAPJのステインフレームをお選びいただけるようになっています。
⚪︎ステインフレーム
 このところ品切れ状態が続き、スケジュール通りに提供するの難しくなってきたため、在庫限りで終了予定です。キット販売を始める数年前から私自身がこちらのフレームを使用してきて、問い合わせ時の窓口対応の方が親切で、国産かつ贈り物にも最適の品質を実感し、安心して使用しております。壁掛け、立て掛けどちらも可能というのも嬉しいですよね。
 
⚪︎オリムパスおしゃれフープ
 
こぎん刺しはほどんどの模様で角ばっているため、こういった角のないフレームに収めると、途端に模様に隙が生まれるような、柔らかな印象になって面白いなといつも感じています。こぎん布をはめるには力が入りますが、しっかりと接着芯を貼り、ゆっくり装着すれば綺麗に収まると思います。
 オリムパス製絲の方はイベント等で直接お話をする機会や、商品問い合わせで接する機会があるのですが、みなさん気さくでフレンドリーで、個人的に好きな会社でもあります。

 

◆こぎん刺しキット 鯉のぼり2023販売先リンク
▶️SHOP

 引き続き楽しいこぎん時間をお楽しみください。

Satonobou