布と糸を知る17(ニューコングレス)
◆布と糸を知る17(ニューコングレス)
半年ぶりの材料研究ブログになりました。布調べは7枚目、綿布カテゴリーに突入、ニューコングレスから始めます。ニューコングレスは綿布カテゴリー内で軽い布に属します。初めて使った時には「麻布みたい!」と感じた記憶があります。久しぶりですので研究布の一覧写真をご確認ください。
※冬のベルビューは雨が多く写真が暗いです。撮り直しができたらより良いものに変更予定です。
※布名のアルファベット、糸名の数字は便宜上振ったものです。
◆ニューコングレス基本情報
⚪︎素材 綿
⚪︎1㎠あたりの目数(縦:横)7目:8目
⚪︎購入店 弘前つきや
⚪︎購入時期 2020〜2021年頃(ロットによる差の可能性を考慮し記載)
⚪︎展開色や価格等の商品情報は店舗にお問い合わせください。
(見た感じは、このような布です。軽そうです。)
◆ニューコングレスの印象(さとの坊調べ)
⚪︎織り糸の主張が弱く、織り糸が動く▶️太い糸やヨリの甘い糸とバランスが取りづらい印象、滑らかでヨリの強い糸、引き締まったこぎん糸との相性が良さそう
⚪︎透ける▶️糸の渡り感が表に出るため、部分刺しの場合は糸や裏布、接着芯など全体への意識が大切そう
下はマクロレンズで撮影した写真です。オリムパスリネンと比べると表面のパヤパヤとした糸に差がありますが、実際に刺してみると摩擦はほとんど感じられません。表面のパヤパヤ糸がこぎん糸の滑りに与える影響も、麻と綿の素材の違いがありそうですね。
布の穴が見やすく、初心者の方にもおすすめです。ただし上記でまとめたように、オリムパスのこぎん糸や越前屋の刺繍糸マタルボンのような空気を含んだヨリの甘い糸で刺すと、こぎん糸がシャキッとできないため糸こきをしてもなんとなく糸のポジションがスッキリしないかもしれません。その状態を生かした作品作りもできるかと思いますが、刺し心地の面からは個人的には引き締まったこぎん糸がおすすめです。
また織り糸が細いため、針で糸を割ることはなく、織り糸が動くので糸こきがしやすいと思いました。また、しなやかなため運針もしやすかったです。
◆ニューコングレスに、また刺してみたい!と思ったさとの坊おすすめの糸
全て運針で同じこぎん針を使用して刺した感想です。私の技量が見た目や感想に影響することをご理解いただきますようお願いいたします。
⚪︎1. つきや こぎん糸(8本合)
刺し心地:糸の通りがスムーズ
見た目:綺麗でこぎん糸の長所が映える
感想:文句なしの刺し心地と見た目。
⚪︎5.津軽工房社 津軽こぎん糸
刺し心地:ヨリの強さが布と合い、扱いやすい
見た目:津軽こぎん糸の上品さにカジュアルさが加わる印象
感想:刺し心地も見た目もおすすめです。
⚪︎8.手仕事ファン手染めこぎん糸
刺し心地:糸の滑りが心地が良い
見た目:手仕事ファンさんのカジュアルな糸の質感そのまま
感想:手仕事ファンさんのこぎん糸の安定感をここでも感じました。
⚪︎その他感想
オリムパスのリネンが好きな方はこちらの布も好きだと思います。ただし、オリムパスのリネンは織り糸の細さが特徴的で、つきやのこぎん糸(8本合)では糸が細く感じましたので、似ていると言っても違いがあると感じました。(ニューコングレスとつきやこぎん糸(8本合)は相性が良い印象です。)
しなやかで運針もしやすいため相性の良い糸で楽しむとこぎん時間も一層楽しく感じられると思います。また、布の軽さや薄さを生かした作品、ピンクッション等におすすめです。
(マタルボンには尻に敷かれてしまう感じがしました)
◆ニューコングレスで楽しめるキット
▶️現在はありませんので制作しましたらお知らせします。
◆次回の布はケンセンのコングレス
◆布と糸の相性について
布と糸を知る3でも触れましたが、感覚は個人差があり、当然ながら好みも個人差があります。相性に関しては、布と糸の組み合わせによって刺し心地が異なることをお伝えしたい気持ちで書いています。布や糸の第一印象で距離をとってしまうのは、勿体無いと感じているのも今回の調査を行う理由の一つです。マイナスではなく、プラスを知っていくのが調査の目的です。
◆調査内容に関して
個人でこぎん刺しをお楽しみいただく方に向け情報で、さとの坊が自宅保管した材料で調べた内容です。保管環境によりお手持ちの布とカウント数のずれや重量に相違が出る場合があると思いますが、ご了承ください。また、写真の無断使用はお断りいたします。 楽しいこぎん時間になりますように。
Satonobou