布と糸を知る9(布の透け具合3)

◆布と糸を知る9(布の透け具合3)
 
前回の記事、布と糸を知る8では、調査対象の12枚の布の透け具合と重さの関係から、どんな特徴が考えられるかを調べていきました。麻布と綿布を区別せず、重さ順に並べてみたのも面白かったですね。今回は研究内容は変わりませんが、もっと布にズームした写真を見比べていきます。
 早速麻布から見ていきます。布とカメラ位置は固定して撮影しています。

(麻布、ただしファンシーヘッシャンはレーヨン混紡)

 近づいてみると、A.麻252とD.ダルマは織り糸の太さにむらがあるような印象を受けますね。このむらは、糸が布目を通過するときの摩擦にどんな影響があるのでしょうか。他の布はそれらに比べると織り糸の太さにばらつきがないように見えます。写真だけで、刺しやすそうな布、難しそうな布のイメージは持てそうですか?
 次に、綿布を見てみます。

(綿布)

 麻布と比べて、全体的に織り糸の太さが整っています。そして、綿布グループの中でも軽量のG.ニューコングレスK.ペリープルは布目から光が通過しているのがわかります。これはこぎん刺しのしがいがありそうです。写真だとわかりづらいのですが、J.ルシアンのコングレスは表面がツヤっとしてすべすべしています。対照的に、H.ケンセンのコングレスは表面にツヤはなく、こぎん布の中でも特に頑丈そうな布の雰囲気があります。

◆これからの調査内容
 タイトル「布の透け具合7~9」では布全体の特徴を見てきました。この後は1種類ずつ取り上げて、さらに深く特徴を見ていく予定です。
 模様の縦横比の違いを作品に活かすのはもちろんですが、素材感(カジュアルっぽくなったりクラシカルになったり)や加工に合わせて布を選ぶのも大切になってきますよね。この後の調査では、そのういった部分も意識して取り組んでいきたいと思っています。
 最後に、次回の研究対象であるA.麻252の写真を写真を置いておきます。こちらの布は、季節を楽しむこぎん刺しキットの「虎/寅」の麻布で使用しています。
 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

(麻252:弘前市の手芸店つきやで販売の麻布)

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◆調査内容に関して
 個人でこぎん刺しをお楽しみいただく方に向け情報で、さとの坊が自宅保管した材料で調べた内容です。保管環境によりお手持ちの布とカウント数のずれや重量に相違が出る場合があると思いますが、ご了承ください。また、写真の無断使用はお断りいたします。 楽しいこぎん時間になりますように。

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