布と糸を知る10(目の粗さ)

◆布と糸を知る10(目の粗さ)
 
前回の記事、布と糸を知る9では、布と糸を知る8よりももう一段階、布に近付いてみました。今回から各布に迫っていくと案内しておりましたが、実際に麻252、ファンシーヘッシャンの刺し心地や糸との相性をこぎん刺しをしながら調べていくと、布目の粗いファンシーヘッシャンにこぎん刺しをするのに思いの外手こずりました。どうしてかと考え、早速手に入れたマクロレンズで布を見てみると、布の目の粗さについての疑問が浮かびました。そこで、もう一度布をじっくり見てみることにしました。

(ぶれ防止と全ての布で同じ距離で撮影するため、積み木を使って固定しています)

◆目が粗い≠布の穴が大きい
 
私は、目の粗い布=模様が大きくなる=布の穴が大きい=太い糸が合うと漠然と考えていたのですが、それは勘違いであることに、今回の研究を通してようやく気が付きました。そもそもの考えが浅はかだったのですが(笑)、これからこぎん刺しを楽しまれる方には大切な情報になると思いますので、丁寧に確認していきたいと思います。

⚪︎目の粗い布=同面積あたりのこぎん模様が大きくなる:おそらく正しい
⚪︎目の粗い布≠布の穴が大きい布の織り糸の太さによる
※織り糸が太いと布の穴は小さくなる、織り糸が細いと穴は大きくなる。
⚪︎目の粗い布≠太い糸が合う布の織り糸の太さによる
※上の説明からも、布の穴の大きさは織り糸の太さに起因するため、目の粗さとは関係がない。

 下の写真を見ていただくと、あっさり納得できると思います。B.ファンシーヘッシャンは、A.麻252よりも目の粗い布です。ただし、写真の通り、織り糸が太いため、布の穴の大きさ(糸が通る部分)は場所によってはA.麻252よりも小さいです。

 他にも、布の表面を見た時の繊維や、糸の特徴など、刺し心地に影響する理由は様々ありますが、面白い発見でした。下の写真は布を隣り合わせ(上下)に置いて撮影した写真ですので、より納得感が得られると思います。

◆布により織り糸の特徴はさまざま
 
今回の研究では、布の織り糸の太さや布全体の重さに注目してきましたが、その調査が生きてくることになりそうです。織り糸の特徴の集合が布であることを、こぎん刺しをしたことで、再認識することになりました。 
 まだ2枚の布にしかこぎん刺しをしていませんが、布と糸の相性含め、面白い発見がたくさんありそうです。もしかしたら次回も各布に迫っていないかもしれませんが、面白い発見は小さなことでも共有しながら、ゆっくり進んでいきたいと思います。 来月から数ヶ月間、制作時間を一層確保することになりますので、ブログの更新間隔が開くと思いますが、のんびりお待ちいただけますと幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします!

◆お知らせ
 本日より7月2日まで、minne内のショップを(ハンドメイドマーケットプレイス)営業しております。どうぞご活用ください。

 (このような感じで布と糸の刺し心地や見た目など調査しています)

 

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◆調査内容に関して
 個人でこぎん刺しをお楽しみいただく方に向け情報で、さとの坊が自宅保管した材料で調べた内容です。保管環境によりお手持ちの布とカウント数のずれや重量に相違が出る場合があると思いますが、ご了承ください。また、写真の無断使用はお断りいたします。 楽しいこぎん時間になりますように。

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