こぎん刺しキット ブックカバー1(文庫本)

◆こぎん刺しキット ブックカバー1(文庫本)
 ブックカバー1は以前ご紹介したのですが、材料紹介等なかったため改めてご紹介します。こちらは2022年の6月に販売を開始した、ブックカバーキット第一号です。サイズは文庫本に対応し、サイズ調整可能なタイプになっています。
 材料は布がこぎんドゥエル、糸がつきやこぎん糸(紺地、赤地の作品)または手仕事ファンこぎん糸(その他)です。
 

(こぎんドゥエル×つきやこぎん糸)
 
◆難易度やポイント

 難易度は3。キット10のデザインをさらに展開した鎖のようなデザインです。以前のブログでお伝えしておりますが、花つなぎを繋ぎ合わせた図案で、「繋げたらどうなるんだろう?という疑問をカタチにしてみたら面白かった」ためにそのままキットのデザインにしています。ギフトキットのような、層を感じるデザインになっています。図案の構成(繰り返されるリズム)を見る視点さえ掴めれば、すんなり完成できると思います。
 デザインはすぐにしっくりきたのですが、接着芯の厚さや裏布の素材を4つほど比べ、物の扱いがワイルド気味な夫にも相談し、最終的な材料が決定しました。レザーほど硬くありませんが、しっかりした使用感になっています。

(内側の様子)

◆材料紹介
津軽工房社こぎんドゥエル(麻)
 今回のデザインは模様が縦長になる雰囲気にしたかったのでドゥエルを採用しました。糊がしっかりしている部分も活かし、全体的に硬めに仕上げ、次第に馴染んでいくようにしました。刺し縮みもあまりないと思います。
 刺し方のコツは、運針の場合は織り糸を持ち上げるように刺し進める、一針ずつ上下に動かす場合は織り糸を割らないことを意識して刺していく、です。
※うぐいす色は津軽工房社さんにて完売済み、再販未定とのことです。さとの坊キットも無くなり次第終了です。布の存続に関しては津軽工房社さんのSNS等でご確認ください。

つきやこぎん糸:紺地、赤地の布
 艶があり引き締まったこぎん糸のため、カジュアルよりはフォーマルな印象になる感じがします。今回は8本合わせのこぎん糸を使用しています。糸の艶と糸の密度、丈夫さ、どれをとってもパーフェクト。ドゥエルとの相性も良いです。ぜひ一度お試しください。

手仕事ファン手染めこぎん糸
:もも、生成り、うぐいすの布
 つきやこぎん糸と比べ、カジュアルで角のない優しい作品になる感じがします。マットな質感でふっくらとした糸ですが、滑りが良く刺し心地も抜群です。色の主張が激しくないため、色合わせを楽しまれる方におすすめのこぎん糸です。
 

(こぎんドゥエル×つきやこぎん糸)
 

◆経験できること(こぎん刺しを楽しむ引き出し)
⚪︎こぎん刺しの伝統模様を発展させる面白さを味わう
⚪︎ひとつのモドコ(基礎模様)が瞬間瞬間の出会いにより(辻褄合わせにより)さまざまな姿になる面白さを知る
⚪︎こぎんドゥエルの特徴を知る
⚪︎つきやこぎん糸、手仕事ファン手染めこぎん糸の特徴を知る
⚪︎本からインスピレーションを得て配色を考えてみる
⚪︎贈り物として想いを込めて制作してみる
⚪︎(楽しまれた後に追加してみてくださいね)

 

(同じ図案のペンケースも作ってみました。)

 
◆制作秘話
 こちらのブックカバー、青森でこぎん刺し作品を制作されている方からのお声がけでキット化が実現しました。キット化希望の声は嬉しいと同時に大きなプレッシャーになります。キットにする作業は、試作を繰り返す作業であり、粗を探す(不安になる)作業であり、さまざまな第三者になったつもりで隅々を見る作業であり、、パッとしない時間が多いです。それでも、ただ楽しんでいる時には経験のできない学びが多くあり、とても面白いです。これで大丈夫!と言い切るには、試作を繰り返していくしかなく、その試作もちょっとずつゴールに近づいていく感覚があります。説明書も試作も大詰めになると、テンションが上がってくるため、早起きして追い込みをしています(寝る前からうずうずして早起きしている感じです)。100点満点のキットにはならないのですが、これで安心して楽しんでいただけるな、というところまで、毎回持っていって、いよいよ販売の日を迎えています。
 さとの坊のキットは、販売日時を案内しているものはありません。それは、家族の突発的なアクシデントに対応するためであり、「そろそろできそう」と思ってから全然できないことがよくあるためです。これからも、追い込まれて半端なキットを販売することは絶対に避けたいので、キットが完成しました〜!と、お知らせしていくと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 
(試作1号。色も探り探りですが、たくさんの方が選んでくださった配色です)

 
◆こぎん刺しキット ブックカバー販売先リンク

⚪︎図案と布セットはこちら
⚪︎糸なしセットはこちら
⚪︎フルセット(複数色)はこちら、または当ショップ(えんじ地も)
⚪︎フルセット(えんじ地)はこちら

 引き続き楽しいこぎん時間をお楽しみください。

Satonobou