布と糸を知る12(ファンシーヘッシャン)

◆布と糸を知る12(ファンシーヘッシャン)
 
前回の記事、布と糸を知る11からいよいよ各布の特徴についてブログを書き始めました。麻布から順番に書いていきますが、今回はファンシーヘッシャンです。
 ヘッシャン(hessian)は、分厚くて粗い麻布を意味するそうです。また、糸においてのファンシー(fancy)という言葉は、ファンシーヤーン(fancy yarn)として、種類・色・太さなどの違った糸を組み合わせてより合わせた糸を表し、意匠糸や意匠撚糸の意味を持つそうです。ファンシーヘッシャンはレーヨンと麻を組み合わせた糸で織った布ですので、納得ですね。
※布名のアルファベット、糸名の数字は便宜上振ったものです。

◆ファンシーヘッシャン基本情報
⚪︎素材 麻(レーヨン混紡)
⚪︎1㎠あたりの目数 縦:横:6:7(目視測定)
⚪︎購入店 ホビーショップ (有)つきや:弘前市土手町
⚪︎購入時期 2018年〜2021年頃(ロットによる差の可能性を考慮し記載)
⚪︎展開色や価格等の商品情報は直接店舗にお問い合わせください。

(ざっと見た感じは、このような布です。)

◆ファンシーヘッシャンの印象(さとの坊調べ)
⚪︎
表面にふわふわした繊維がある▶️こぎん刺しで糸が通る時にザラザラした感じがする
⚪︎厚い、ゴワゴワした感じがする▶️ざっくりしたカジュアルな印象
⚪︎織り糸に高さがある▶️細い糸でこぎん刺しをすると埋もれそう
⚪︎織り糸が太く頑丈、動きづらい(揺らがない)▶️針で織り糸を割ることはなさそう
⚪︎擦れると毛玉ができる▶️バッグなどで作る際は使い方の工夫が必要そう

 下の写真は、布と糸を知る10でも見ましたが、同じくつきやで販売されているA.麻252と比較した写真です。ほぼ同じ距離からのズーム写真ですが、ファンシーヘッシャンの糸の太さが際立っています。目の細かさの違いに対して、布の穴の大きさがあまり変わらないように見えます。

 

 ◆ファンシーヘッシャンに、また刺してみたい!と思ったさとの坊おすすめの糸
 全て同日に運針で同じこぎん針を使用して刺した感想です。私の技量が見た目や感想に影響することをご理解いただき、読み進めていただきますようお願いいたします。


⚪︎2.オリムパス こぎん糸
刺し心地
:スムーズでストレスを感じない
見た目:引き揃えずに使用、開封時の状態と変わらずふっくらとしている
感想麻252に刺した時と似た印象で、空気を含んだ糸の集合体が、布の穴を通過する際に自在に空気を吐き出したり吸い込んだりして状態を維持している感じで、刺していて面白かったです。

⚪︎4.つきや こぎん糸(10本合わせ)
刺し心地:糸を引く際重みがあるが、布の穴の大きさと糸の太さがピッタリ
見た目:細すぎず太すぎず、布と糸の見え具合等のバランスが良い
感想:摩擦が強い印象があり、糸こきは工夫が必要ですが、摩擦の強さは心地良い重みで、試す価値ありだと感じました。

⚪︎9.koginbank こぎん糸
刺し心地
:スムーズだが糸こきは少し難しい 
見た目:koginbankさんの糸は4本合わせで糸そのものに高さがあり、ファンシーヘッシャンは織り糸が太いため、材料同士のキャラクターのバランスが取れている
感想:段が変わる部分でこぎん糸がバラついたり、糸こきが難しいとは感じましたが、糸の通りがスムーズで心地よかったです。一目部分が埋もれないといったところも相性の良さを感じました。

⚪︎その他感想
 織り糸が太く動きづらいため、こぎん糸が通過した時に段の上側に行ったり落ち着く場所が安定しないように感じました。それに関しては糸こきで調整するといいのですが、糸こきも工夫が必要です。優しく糸を引くといいかもしれません。また、織り糸に高さがある(厚い布)のため、甘撚りのオリムパスや刺繍糸のマタルボンがふっくらと可愛らしい印象で面白かったです。

◆ファンシーヘッシャンで楽しめるキット
▶️今のところありませんので、開発したらお知らせします。

◆次回の布はZweigart(ツバイガルト)コーク

 これから調べていきます! 

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◆布と糸の相性について
 布と糸を知る3
でも触れましたが、感覚は個人差があり、当然ながら好みも個人差があります。相性に関しては、布と糸の組み合わせによって刺し心地が異なることをお伝えしたい気持ちで書いています。布や糸の第一印象で距離をとってしまうのは、勿体無いと感じているのも今回の調査を行う理由の一つです。マイナスではなく、プラスを知っていくのが調査の目的です。

◆調査内容に関して
 個人でこぎん刺しをお楽しみいただく方に向け情報で、さとの坊が自宅保管した材料で調べた内容です。保管環境によりお手持ちの布とカウント数のずれや重量に相違が出る場合があると思いますが、ご了承ください。また、写真の無断使用はお断りいたします。 楽しいこぎん時間になりますように。
 

◆参考
リサーチナビ, 「繊維製品の事典」, https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/027477290.html, (2023年7月1日)

Satonobou