布と糸を知る20(ルシアン コングレス)
◆布と糸を知る20(ルシアンコングレス)
前回のツバイガルトのダボサは、織り糸が特徴的で、同メーカーの麻布コークと同様に平らな布でした。ほとんどのこぎん糸、刺繍糸と相性が良い布ですが、経糸を割りやすいため、どちらかというと経験者向けの布の印象でした。
本日のルシアンのコングレスは、日本製なのですが、初心者の方に使っていただきたい扱いやすい布でした。
◆ルシアン コングレス基本情報
⚪︎素材 綿
⚪︎1㎠あたりの目数(縦:横)7目:7目
⚪︎購入店 オンラインショップ等
⚪︎購入時期 2022〜2023年頃(ロットによる差の可能性を考慮し記載)
⚪︎展開色や価格等の商品情報はメーカーや店舗にお問い合わせください。
(ピシッとしていますね)
◆ルシアン コングレスの印象(さとの坊調べ)
⚪︎厚め▶️こぎん刺しをしても布が歪みづらい
⚪︎織り糸に艶があり滑りが良い▶️針や糸を通しやすい
⚪︎経糸にまとまりがあり割りづらい▶️運針でも一針一針でも刺しやすい
⚪︎糊が多い?布が硬い▶️柔らかな糸、ヨリの甘い糸には柔軟性が不足
⚪︎経糸が動きづらい▶️糸が抑え付けられるためヨリの甘い糸は糸を引き抜く際に糸が解けやすい
下の写真を見ていただくと、ルシアンのコングレスは、こぎん刺しをしても布が縦方向に縮みづらいことがわかると思います(使用する糸も影響すると思います)。加工内容に加え、部分的に刺すのか総刺しにするのか等も考慮して、材料選びができたらいいですよね。
布の織り糸の揺らぎ視点では、①こぎん糸を通すことで完成する布、②こぎん糸を通す前から完成している布、の2つのタイプがあることに気がつきました。横方向の縮みは、適切な太さの糸を選んだり、糸こきを丁寧に行うことである程度コントロールできますので、糸こきは引き続き時間をかけて行いたいですね。
布の変形に関しては自分自身理解したいので、改めてブログでご報告します。
◆ルシアン コングレスに、また刺してみたい!と思ったさとの坊おすすめの糸
全て運針で同じこぎん針を使用して刺した感想です。私の技量が見た目や感想に影響することをご理解いただきますようお願いいたします。
⚪︎4. つきや こぎん糸(10本合)
刺し心地:ちょうど良い太さ、ヨリの強さ
見た目:凛としている
感想:安心して楽しめます
⚪︎5. 津軽工房社 こぎん糸
刺し心地:スムーズ
見た目:糸の陰影がくっきりしている
感想:刺し心地バッチリ
⚪︎6. 1chi® こぎん糸
刺し心地:糸を引く際の摩擦が心地よく、スムーズ
見た目:ふっくらしている
感想:手にも目にも糸の存在感が良いです
⚪︎8. 手仕事ファン 手染めこぎん糸
刺し心地:糸の滑りが心地が良い
見た目:窮屈そうでなくふっくら綺麗
感想:文句なし
⚪︎その他感想
布がしっかりしていて、織り糸はあまり動かず抑え付けがあるので、どちらかというとヨリの強い糸(しっかりと捩れている糸)との相性が良いと思いました。布に張りがあり、布目が確認しやすいため、初心者の方も安心して楽しめそうです。
下の写真は布を拡大して撮影したものですが、ケンセンのコングレスはヨリの甘い糸との相性が良く、ルシアンのコングレスはヨリの強い糸との相性が良かったです。すでにこぎん糸をお持ちで、「どのこぎん布を買ったらいいのだ〜」と困った時には参考にしていただければと思います。
たくさんの布を見てきて、ピシッとした織り糸はこぎん糸が通過する際の摩擦がかかりやすいのかな、等想像できるようになってきました。この辺りももう少し勉強していきます。
◆ルシアン コングレスで楽しめるキット
開発したらご紹介します。
◆次回の布はペリープル
◆布と糸の相性について
布と糸を知る3でも触れましたが、感覚は個人差があり、当然ながら好みも個人差があります。相性に関しては、布と糸の組み合わせによって刺し心地が異なることをお伝えしたい気持ちで書いています。布や糸の第一印象で距離をとってしまうのは、勿体無いと感じているのも今回の調査を行う理由の一つです。マイナスではなく、プラスを知っていくのが調査の目的です。
◆調査内容に関して
個人でこぎん刺しをお楽しみいただく方に向け情報で、さとの坊が自宅保管した材料で調べた内容です。保管環境によりお手持ちの布とカウント数のずれや重量に相違が出る場合があると思いますが、ご了承ください。また、写真の無断使用はお断りいたします。 楽しいこぎん時間になりますように。
※布名のアルファベット、糸名の数字は便宜上振ったものです。
Satonobou