布と糸を知る6(模様の見え方)

◆布と糸を知る6(模様の見え方)
 
前回の記事、布と糸を知る5では布の織り糸を紹介した布と糸を知る4の続編として、Zweigart社の綿と麻の布に注目し、どんな違いがあるのか、またその違いは刺し心地にどんな影響を及ぼすのかを想像する内容でした。織り糸を知ることの面白さに気が付いたところで、今日は一旦立ち返り、今回の材料研究対象の布全体に戻ります。


 布と糸を知る2では各布の目数を取り上げ、縦横等比になる布、縦長になる布の織り糸に迫ってみました。各布、1cm四方あたりの目数は上の写真のとおりです。(一部さとの坊調べ)同じ目数の布に同じ模様を刺したら、同じ菱形になりそうですが、実際にはどうでしょうか?糸は弘前市にあるしまやの未晒しのこぎん糸を使用しました。

 麻252とダルマとドゥエルは目数は同じですが、実際に見てみると、ドゥエルが尖っているように見えますね。模様一つでこの差がありますので、大きな作品になると、その印象の違いも大きくなります。下段、ニューコングレス、ペリープル、koginbankも同じ目数ですが、いかがでしょうか?布による個性がありそうですよね。
 1cm四方の目数は同じでも、メーカーが織り糸の本数を決定する基準単位が異なるため、こういった差が出てくるそうです。まさしく、刺してみないとわからない、とても面白いですよね。

◆並べて比較してみる
 下に、比較しやすいよう同じ目数の布を並べました。刺し心地ももちろん布を選ぶ大切な要素ですが、模様の見え方・印象も同じように大きな要素だと考えています。見た目に限定して考えた時に、好みの布はありましたか?
  布と糸を知る4で織糸について調査しましたが、同じ目数の布であっても、布の織り糸の特徴が異なるため、糸の通過する布の穴の大きさは異なることが想定されました。実際に、下の写真の、糸の窮屈さや自由さをよく見てみると、同じ目数の布でも、穴の大きさが異なることが感じられる気がしますね。
 

(ファンシーヘッシャンにこぎん刺しをすると、ザクザク進んで気持ちがよさそうですね)

(ケンセンとルシアンでも糸のミチミチ具合に差が感じられます)

 この後は、各布の特徴を丁寧に調査していく予定です。どうぞ引き続き、お付き合いください。

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◆調査内容に関して
 個人でこぎん刺しをお楽しみいただく方に向け情報で、さとの坊が自宅保管した材料で調べた内容です。保管環境によりお手持ちの布とカウント数のずれや重量に相違が出る場合があると思いますが、ご了承ください。また、写真の無断使用はお断りいたします。 楽しいこぎん時間になりますように。

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